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東京国際ブックフェア2010 講演レポート

2010年7月19日 月曜日

posted by 仲俣暁生

7月8日~11日にかけて行われた東京国際ブックフェア2010において、ボイジャーが行った各種講演の映像が随時公開されています。また会期中に東京国際ブックフェア2010会場で配布したパンフレット、「そして船は行く」も下記リンクからダウンロードできます。

http://www.voyager.co.jp/sokuho/index.html

「マガジン航」でもご紹介したInternet Archiveのピーター・ブラントリー氏による講演「“OPDS–Open Publication Distribution System”について」にくわえ、ボイジャー代表取締役の萩野正昭氏による「越えるべきものは何なのか?」、ボイジャー開発担当執行役員の小池利明氏による「ePUBと日本語表示について」の映像がすでに公開されており、残りの講演も追って公開される予定です。

萩野氏と小池氏の講演のさわりを、「マガジン航」からも視聴できるようにしました。続きはぜひ、上記のリンクからご覧ください。また萩野氏の講演中で言及されている無料の電子書籍、津野海太郎『小さなメディアの必要』浜野保樹『極端に短いインターネットの歴史』は、それぞれ理想書店からダウンロードできます。


▲萩野正昭「越えるべきものは何なのか?」


▲小池利明「ePUBと日本語表示について」

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Internet Archiveのピーター・ブラントリー氏が来日

2010年7月13日 火曜日

posted by 仲俣暁生

7月8日から11日まで行われた東京国際ブックフェアに、アメリカの非営利組織Internet Archiveのピーター・ブラントリー氏が来日し、彼らが進めているBookServerプロジェクトと、その基礎をなす OPDS (Open Publication Distribution System) についてのプレゼンテーションと講演を行いました。

ブラントリー氏はこの BookServer プロジェクトの責任者であると同時に、電子書籍の規格であるEPUBの標準化を行っているIDPFのボードメンバーであり、グーグルの「ブック検索」集団訴訟の和解案に反対して組織された、Open Book Allianceの共同創設者でもあります。

BookServerの概念図。

BookServerの概念図

9日に行われたこの無料公開セミナーの映像が YouTube で公開されていますので、「マガジン航」でもさっそくご紹介します。(当日のプレゼンテーション資料はこちらからダウンロードできます)。

彼らが OPDS を用いて進めている Open Library については、東京国際ブックフェアでボイジャーが配布したカタログに掲載した「ePUB 世界の標準と日本語の調和」という記事(「マガジン航」にも転載済み)もご参照ください。

▲ピーター・ブラントリー氏講演(前編)

▲ピーター・ブラントリー氏講演(後編) 

「マガジン航」では以前にも、Internet Archive の中心人物であるブルースター・ケール氏を訪問した際の映像を公開しています。この機会にあわせてごらんください。

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ブラントリー氏は翌10日にも、東京国際ブックフェアと同時開催されたデジタル・パブリッシングフェア2010のボイジャーブースに登場し、同様の講演を行った。

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東京国際ブックフェア2010に出展します

2010年7月4日 日曜日

posted by 仲俣暁生

まもなく7月8日(木)から「東京国際ブックフェア2010」が開催されます。「マガジン航」の発行元であるボイジャーも、7月8日(木)から10日(土)まで、ブックフェアの本展および同時開催される「デジタルパブリッシングフェア」に出展します(詳細はこちらを参照)。

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今年のキャッチフレーズは「そして船は行く」です。このキャッチフレーズのロゴが入ったブックフェア用のパンフレットには、電子書籍ブームという波の高まるなかでボイジャーが考えている「本の未来」の姿が提示されています(7月19日追記:パンフレットのPDFファイルがこちらからダウンロードできるようになりました)。

パンフレットの掲載記事のなかから、ボイジャー執行役員・開発部長である小池利明氏による「ePUB 世界の標準と日本語の調和」を「マガジン航」に先行公開します。

このパンフレットにはさらに、ボイジャー代表取締役 萩野正昭氏による「T-Time―もっと遠く、もっと広く」、筑波大学附属視覚特別支援学校教諭の宇野和博氏による「読書バリアフリーをめざして」、青空文庫呼びかけ人でライターの富田倫生氏による「全書籍電子化計画を越えて―本のインターネットへの旅」といった記事が掲載されています。これらも随時「マガジン航」に転載していく予定です。

一般入場日である7月10日(土)には「デジタルパブリッシングフェア」のボイジャー・ブースにて、「マガジン航」の寄稿者を含むゲストを迎えたトークイベントも開催されます。この日は「マガジン航」編集人の私のほか、以下の方々にご登場いただきます。

・松井 進さん (バリアーフリー資料リソースセンター/副理事長) ※昨年の講演

・海上 忍さん(テクニカルライター)

・藤井あやさん(漫画家) ※寄稿していただいた記事

・米光一成さん(ゲーム作家/ライター) ※寄稿していただいた記事

・小飼 弾さん(「弾言」「決弾」の著者/ブロガー)

また7月9日(金)には、林信行さん(ITジャーナリスト)、大谷和利さん (テクノロジーライター)をお招きした対談式講演も開催します(※大谷さんの昨年の講演)。

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なお、10日の「マガジン航」関連イベントへのご来場者には、特製の「マガジン航」のロゴ入りTシャツをプレゼント。数には限りがありますが、白と黒の2パターンを用意しています(オモテに「航」のロゴ、ウラにはInternet ArchiveとVoyagerのロゴ入り)。どうぞふるってご来場ください。

■関連記事
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TIBF2009 ボブ・スタイン講演録
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TIBF2009 松井進氏講演録
TIBF2009 萩野雅昭講演録

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Digital Book 2010にボイジャーが参加

2010年5月30日 日曜日

posted by 大原けい (Lingual Literary Agency, NewYork)

毎年初夏に行われるブック・エキスポ・アメリカ(BEA)といえばアメリカで最大規模のブックフェア。基本的にアメリカの版元が国内のお得意様を相手にしたイベントなので、フランクフルトやロンドンのブックフェアと比べると、国際色豊かというわけではないが、その分、顧客サービスが充実、タレント本を出したセレブから文壇の重鎮まで、大勢の著者が来場して場内を賑わせ、ただで貰えるトートバッグやしおりなどのプロモーショングッズが多いことでも、参加者には楽しいイベントとなっている。

その「アカウント」と呼ばれるお得意様とは、本を発注する立場にある全国の書店員や図書館の司書、つまり普段は本に囲まれて室内で黙々と働いている人たち。彼らは少ないお給料の中から毎年少しずつ貯金して年に1回ニューヨークに出かけ、ミュージカルを見たり観光したりとちょっぴり都会で物見遊山も楽しみながら、開催中にセミナーで同業者と知り合ったり、出版社のブースを回って見本刷のゲラを集めたり、好きな著者のサイン会に並んだり、と本の虫ならではのお楽しみが満載だ。

そのうちのセミナーの一つとして25日に行われた「Digital Book 2010」。IDPF(国際電子出版フォーラム)は、コンテンツクリエイター、電子書籍端末のメーカー、そしてユーザーのためのEブックのスタンダードを作ろうという非営利団体で、EPUBを業界標準規格のフォーマットとして推進している。

IDPF Digital Book 2010の会場となった、ニューヨーク市ジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンター

Digital Book 2010の会場となったNYのジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンター

電子書籍関連のセミナーはBEAでもう10年も前からやっているが、さすがにiPadという強力なEPUBのデバイス登場で注目が集まり、今回のセミナーは早々にソールドアウト、当日は朝から椅子が足りなくなるほどの大盛況で、興味関心のほどが伺える。

冒頭の挨拶でジョージ・カーシャー会長は「世界規模で新しい読者を獲得するためにも不可欠なのがアジアの市場。そのためには今こそEPUBのスタンダードを書き換える時期に来ている」と訴えた。

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編集者とデザイナーのためのXML勉強会

2010年4月28日 水曜日

posted by 深沢英次 (@pictex)

電子出版が話題になっていますが、今まで紙の印刷物を作ってきた編集者やデザイナーたちは、自分たちの仕事は今後どうなっていくのだろうかと不安を抱えています。「これからXMLやEPUBでの電子出版が主流になる」と言われても、それがどのようなものなのか、なかなかイメージが掴みにくい人も多いようです。

そこで、4月の16日にTwitter上で呼びかけた有志が集まり「HTMLもよくわからない編集者とデザイナーのためのXML勉強会」を行いました。これだけでXMLが理解できるというものではなく、この先に各自が自分で勉強していくためのガイダンスというか、入門の入門みたいな話です。

ここでは勉強会で私が話した内容を掲載します。具体的には、編集者やデザイナーが「文章」をコンピュータ上で「受け渡すための方法」や「再利用」「互換性」などに関する話なので、技術的にはかなり端折った説明となりますがご容赦ください。

コンピュータの基本ファイルは「テキスト」

DTPやWeb、電子書籍などのコンテンツで「原稿」と呼ばれているものの大半は「テキスト」です。「プレーンテキスト」は、どのコンピュータであっても、受け渡しがほぼ保証されています。それ以外の、例えばワードやInDesignファイル、PDF、といったネイティブファイルは、互換性が制限されてしまいます。例えばケータイでPDFを見ることは難しいし、ゲーム機でワードの書類を開くことも出来ません。

さて、テキストファイルを文章原稿として受け渡ししても、コンピュータはその文字列が何なのか理解することはできません。小説なのか詩なのかニュースなのか伝票の数字なのか、意味自体を理解することなく、ただ文字が並んでいることしか分からないのです。それを人間にもコンピュータにも理解・分類できるようにする方法が「構造情報」や「書式情報」をつけることなのです。

テキストの中に「これは小説」「ここからここまでは見出し」「ここからここまでは本文」といった記述(マーク)を付けていくことを文書の構造化といい、こういった方法でテキストを構造化することを「マークアップ言語」といいます。「言語」というのはコンピュータ用の言葉で書かれた文章やプログラムという意味です。

さらに、「見出しは24ポイントのヒラギノW6で色は青」とか「本文はリュウミン-Rの9ポイント行間二分」といった「書式情報」を用意する場合もあります。最終的な見た目の情報を、文書内に文字でつけ足しておく方法です。これらはスタイルシートと呼ばれます。

今回は書式情報やスタイルシートに関して説明する時間はないので、「マークアップ言語」について説明します。実は、Webサイトで使われるHTMLも、今話題のXMLも、このマークアップ言語(ML:Markup Languag)なのです。

HTMLとは

Webページの表示に使われてるHTML(Hyper Text Markup Language)は、昔からコンピュータの世界で文章の構造を表すために使用されていたSGML(Standard Generalized Markup Language)をベースに、1990年頃に開発されたものです。

まず最初に、元となったSGMLを見てみましょう。SGMLは1970年代からデータベース用のファイル形式として使われてきたマークアップ言語です。

SGMLでは、文章中に「タグ」という山形括弧(ギュメ)で括ったマーク部分を挿入して、「ここからここまでは見出し」であるとか「ここからここまでは脚注」であるといった意味(構造)分けをしました。「見出し」や「脚注」などといったそれぞれの要素(エレメント)や、「こういうタグを作ったから、こういう順番で使う」といったルール(DTD)は、記述する人が自由に定義することができました。

それに対してHTMLはインターネット上での情報共有が目的だったため、タグやDTDの定義を固定して共通化しました。その中で文書の中に画像を埋め込む「インラインイメージ」や、テキストのボールドやイタリック、TABLEやフレームなど、ページのレイアウトや装飾のための要素などが規定されました。

【簡単なHTML 図1】

【簡単なHTML 図1】

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HTMLでは「見出し」「本文」といった文章の要素が決まっているだけで、それをどう表示するか、解釈は各ブラウザに任せていました。ブラウザはそれぞれ独自の解釈で、自分のマシン内のフォントを使い、本文だったらこのくらいのポイント、見出しならボールドでこのくらいのポイント、といった表示を勝手に行っていました。

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